目次になる予定

妖しいきらめき

2012年12月17日
シンティレイション。星のきらめき、放射線が蛍光物質にぶつかった際生じる光。監督はパリの映像作家 Xavier Chassaing (ザビエル・シャサン)の2009年の作品です。

Xavier Chassaing - SCINTILLATION (2009)




Scintillation - ”煌めき”の連続体

一見動画のようだけれど、35000枚の写真をつなぎあわせたアニメーションだっていうからすごい。確かに細部の繋ぎが微妙にぎこちなかったり、不思議な切れ方をしたり、光の動きがランダムな箇所がある。かえってそれがすごく生々しくて官能的な作品です。

内容はタイトルを踏まえれば、室内を一つの宇宙に見立てたものと見てもよいのかな。





ざっくり言うと前半は、宇宙の様々な星の地表をのぞく宇宙船のような視点で静物に迫り、中盤は花に映えた、まるで星雲のような妖光を収めて、そして最後は煌めく宇宙の全体図を彷彿とさせるシーンで終わります。

この作品が面白いなと思うのは、被写体との距離は終始変わらないのに、後半で観る側の距離が全く変わってしまうところ。前半より後半の方が被写体との距離を感じる一方で、後半の方がぐっと引き寄せられる感じがします。

「宇宙の中の星の光」っていう見立てが効いてるせいですかね、それともその先入観が働いてるからか、いずれにせよ映像に「引力」があるなと感じました。

▶ Motiongrapher:Scintillation by Xavier Chassaing

コネもパトロンもないので、文字通り「その場にあったものでなんとかした」とさらっと書いてあった、1枚の写真に露光1秒で35000枚なんだけどな…。